トラクタのカプラオフセットの値はどのように決められているのでしょうか?
それは、トラクタの自重(何も積載していない状態)のそれぞれの軸重を考察することから始まります。
トラクタの構造上、前軸の方がかなり重いです。(下記は単純化した例です。)
カプラオフセット2
第5輪荷重(10000kgと仮定)がかかった場合、カプラオフセットの値とそれぞれの軸重はどのようになるのでしょうか?
軸距400cm、オフセットが100cmとして計算してみます。
前軸には2500kgかかり自重(4500kg)+2500kgで合計7000kg
後軸には7500kgかかり自重(2500kg)+7500kgで合計10000kg
カプラオフセット3
実際の計算では、前軸側に乗員の重さ(二人分)110kgが加わります。
原則的にトラクタには第5輪荷重の最大値ががかかっても、軸重が10t以内(道路法上の一般制限値が10t)になるように設計されているので、100cmは最小値でしょう。もう少し前軸側にずれていないとなりません。
同じ型式のトラクタでも前後の軸重が変わればオフセットも変わってきます。
また、近年は、第5輪荷重が11.5tの車両も多くなってきていて、軸重が10tを超える車両もあります。
軸重が10tを超える場合は、緩和申請が必要ですが、一般的にはメーカー側が一括緩和という方法で申請しています。